ブラッドストーン
Bloodstone
血石(けっせき)
カルセドニー(玉髄)系の不透明石で、緑地に赤斑のある特徴。別名ヘリオトロープ

深い森のような緑色に、鮮烈な赤い斑点。「ブラッドストーン(血石)」という衝撃的な名前の通り、この石には「血」にまつわる伝説が息づいています。中世のキリスト教社会では、十字架の下にあった緑色のジャスパー(碧玉)に、イエス・キリストの血が滴り落ちて生まれたと信じられ、「殉教者の石」として絶対的な崇敬を集めてきました。
きらびやかな透明石とは一線を画す、その重厚で不透明な佇まいは、古くから「勇気」と「献身」の象徴でした。ローマの兵士たちは止血や戦勝のお守りとして身につけ、中世の貴族たちは家紋を彫り込んだ「シグネットリング(印章指輪)」として愛用しました。
現代のジュエリーにおいても、その「男性的」で「クラシカル」な魅力は健在です。アンティークな装いや、マニッシュなファッションを格上げするアクセントとして最適。3月の 誕生石 でもあり、困難に立ち向かう勇気が欲しい時、静かに背中を押してくれる「英雄の石」として、性別を問わず根強い人気を誇ります。
「価値が決まる要素(緑の濃さ・赤斑の質/量・研磨適性)」
この石の評価は、まるで絵画の良し悪しを見極めるようなものです。まずベースとなる緑色は、霧がかった深い森のように濃く、深みのあるものが最高とされます。色が薄かったり、黄色や茶色が混じっていたりすると評価は下がります。
次に重要なのが、主役である赤い斑点です。「血石」の名に恥じない、鮮血のように鮮やかな赤色であることが理想です。茶色く濁った赤では魅力が半減してしまいます。斑点の量は「バランス」が命。少なすぎても寂しいですが、多すぎて緑地が見えなくなってしまってもいけません。夜空の星のように、程よい間隔で美しく散らばっているものが高く評価されます。
最後に、見落としがちなのが「磨きの良さ( ポリッシュ )」です。不透明な石だからこそ、表面がつるんと滑らかに研磨され、しっとりとした艶があるかどうかが、ジュエリーとしての品格を大きく左右します。
「偽物/類似:染色ジャスパー等」
残念ながら、この個性的な模様を模した「そっくりさん」も市場には存在します。最も多いのが、色の薄い安価なジャスパーや他の石を緑色に染め、その上から人工的に赤い点を着色したものです。これらは色が不自然に鮮やかすぎたり、 ルーペ で見ると色の境目に染料が溜まっていたりすることがあります。
また、赤い斑点がない緑一色のものは単に「グリーンジャスパー」と呼ばれ、ブラッドストーンとは区別されます。
天然のブラッドストーンが持つ、地球が悠久の時をかけて描いた「作為のない模様」と、奥深い色合い。その風格は、人工的な染色では決して真似できないものです。信頼できるお店で、本物の迫力に触れてみてください。
「お手入れと耐久性」
ブラッドストーンは水晶(クォーツ)の仲間なので、 モース硬度 は6.5〜7と比較的高く、日常使いのジュエリーとして十分に頼もしい耐久性を持っています。汗や水にも強いので、神経質にならずに楽しめるのが嬉しいですね。
普段のお手入れは、着用後に柔らかい布で汗や汚れを優しく拭き取るだけで十分です。汚れが気になる場合は、ぬるま湯に中性洗剤を薄く溶かして、柔らかいブラシで優しく洗ってあげましょう。
ただし、いくら丈夫といっても、強い衝撃を与えれば割れたり欠けたりする可能性があります。特にアンティークのシグネットリングなどは、石の角が摩耗していることもあるので、硬いものにぶつけないよう少し気遣ってあげると、英雄の石はより長くあなたの傍で輝き続けてくれるはずです。
Bloodstone Analysis
MAJOR MINING LOCATIONS
ACCESSORY

Ring
印章指輪が定番。硬く傷に強いので安心。

Necklace
勇気のお守りに。汗がついたら拭き取る。

Brooch
重厚な色が服に映える。落下の衝撃注意。




