ラピスラズリ
Lapis Lazuli
瑠璃(ルリ)
ラピスラズリは、まるで夜空をそのまま切り取ったような、深く吸い込まれるような青色が特徴です。そこに散りばめられた金色の粒子(パイライト)が星のように輝く姿から、古くは「天空の破片」として崇められてきました。人類が最も古くから認知している宝石の一つと言われ、古代エジプトのツタンカーメン王の黄金のマスクにも、この石がふんだんに使われています。
実は、単一の鉱物ではなく、ラズライト(青金石)を中心に、複数の鉱物が集まってできた「岩石」であることも大きな特徴です。そのため一つひとつ模様が異なり、世界に二つとない個性を楽しめます。かつて画家のフェルメールが愛した貴重な顔料「ウルトラマリン」の原料であったことでも有名ですね。
12月の 誕生石 であり、日本でも「瑠璃(るり)」の名で仏教の七宝の一つに数えられる神聖な石です。酸や水に弱くデリケートな一面もありますが、その分愛着も湧くもの。深い知性と幸運をもたらす「聖なる石」として、人生の良きパートナーとなってくれるでしょう。
「ラピスラズリ(岩石)とラズライト(鉱物)の違い」
宝石の多くが単一の結晶であるのに対し、ラピスラズリは複数の鉱物が集まってできた「岩石」に分類される珍しい存在です。その美しい青色の主役を務めるのが「ラズライト(青金石)」という鉱物。そこに、ソーダライトやノーゼライトといった複数の青系の鉱物や、その他の成分が絶妙なバランスで混ざり合うことで、あの複雑で奥深い色合いが生み出されています。
「品質の見方:青の濃さ/パイライト量/カルサイト白筋」
ラピスラズリを選ぶことは、自分好みの夜空を探す作業に似ています。市場で最も高く評価されるのは、絵の具を溶かしたような深く均一な群青色です。そこに星屑のように散らばる金色の「パイライト(黄鉄鉱)」は、適度であれば夜空の情景を美しく引き立てますが、多すぎると少しギラついた印象を与えます。また、雲のように見える白い筋は「カルサイト(方解石)」という成分によるもの。これが多すぎると青色がぼやけてしまうため、一般的には白い部分が少ないほど高級とされます。とはいえ、雪が舞うような白い模様に惹かれる方も多く、最終的には「ご自身の心に響く景色」を見つけることが、この石選びの最大の醍醐味と言えるでしょう。
「水・酸に弱い理由とケア」
「聖なる石」として古くから愛されてきた一方で、扱いには少しの気遣いが必要です。複数の鉱物が集まった岩石であるため、表面に微細な隙間があり、水分や汚れを吸い込みやすいという弱点を持っています。さらに、成分の一部が酸に弱いため、汗をかいたまま放置したり、柑橘類の果汁や洗剤が触れたりすると、表面の美しいツヤが損なわれる恐れがあります。水仕事や入浴の際は必ず外し、一日の終わりに柔らかい布で優しく乾拭きする習慣をつけましょう。少しデリケートな性質ですが、丁寧に手をかけるほどに愛着が深まる宝石です。
「ウルトラマリン顔料」
宝石をすりつぶして絵の具にするという、現代では考えられないほど贅沢な歴史を持つのがラピスラズリです。ルネサンス期から17世紀にかけて、この石から作られた青色顔料「ウルトラマリン」は、純金と同等かそれ以上の価値で取引されていました。ヨハネス・フェルメールの代表作『真珠の耳飾りの少女』の、あの鮮やかなターバンの青もこの顔料によるものです。名前の「ウルトラマリン」は「海(マリン)の向こう(ウルトラ)からやってきた」という意味を持ちます。遥か遠くアフガニスタンの鉱山から、シルクロードと地中海を越えてヨーロッパの天才画家たちの元へ届いた奇跡の色。そのジュエリーを身につけることは、美術史に刻まれた「至高の青」を独り占めするような、格別なロマンを与えてくれます。
Lapis Lazuli Analysis
MAJOR MINING LOCATIONS
ACCESSORY

Necklace
肌の上で夜空のような青が際立ちます。

Ring
水に弱いので、手洗いの際は外しましょう。

Earrings
顔周りに知的な印象を与えてくれます。







