ジルコン
Zircon
よく名前が似ているせいで、人造石の「キュービック・ジルコニア」と混同され、なんとなく格下に見られがちなジルコン。しかし、その正体は地球上で最も古く、そして威厳ある天然鉱物の一つです。オーストラリアでは約44億年前、つまり地球が生まれて間もない頃のジルコンが見つかっており、まさに「地球最古のタイムカプセル」と言える存在なのです。
鉱物としては「ケイ酸ジルコニウム」で、主に花崗岩などの火成岩の中で、マグマが冷え固まる際に極めて小さな結晶として生まれます。この石のすごいところは、圧倒的な「頑丈さ」。母岩が風化してボロボロになっても、ジルコンだけはその形を留め、川に流され、最終的に砂の中にキラキラと残ります。ダイヤモンド採掘の現場で、ダイヤと共に重い砂として残るのも、その 比重 の高さゆえです。
そして、研磨職人が ルーペ で覗き込んだ瞬間、この石はダイヤモンドとは決定的に違う顔を見せます。それが「 複屈折 (ダブリング)」という性質です。光が石の中で二手に分かれるため、正面から見ると、裏側のカット面が二重にダブって見えるのです。さらに、ダイヤモンドに迫る高い 屈折率 と分散度を持っているため、カットを施すとギラギラとした虹色の ファイア を放ちます。ただ、硬度は7.5あるものの、角(カド)が欠けやすい性質(脆性)があるため、エッジを鋭く保つには職人の丁寧な仕事が欠かせません。
「ダイヤの代用品」なんて呼ばれた時代もありましたが、その重厚な輝きと、地球の歴史を記憶する孤高の存在感は、他のどの石にも代えがたい魅力なのです。
RELATIONSHIP
Derived Gemstones
この原石から生まれる宝石たち
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