ロードクロサイト
Rhodochrosite
ギリシャ語で「バラの色」を意味するロードクロサイト。日本では「インカローズ」という愛称のほうが有名かもしれませんが、鉱物学的な正体は「炭酸マンガン」です。鉄が酸化すると赤くなるのと同様に、マンガンという成分が 結晶構造 に含まれることで、あの情熱的なピンク色が生まれます。
この石の最大の面白さは、育つ環境によって「顔」が劇的に変わること。かつてのインカ帝国の領域であるアンデス山脈などでは、古い鉱山の空洞に地下水が滴り落ち、鍾乳石のように層を成して成長します。あのバームクーヘンのような縞模様は、長い時間をかけて成分が積層した歴史そのもの。一方で、アメリカのスイートホーム鉱山のような熱水鉱床では、不純物の少ない、目が覚めるような透明な赤色の菱形結晶として育ちます。同じ鉱物でありながら、「可愛らしい縞模様」と「高貴なクリアレッド」という二つの姿を持つのが特徴です。
しかし、その美しさの代償として、この石は極めて「繊細」です。 モース硬度 は3.5から4と、10円玉で擦るだけで傷がつくほどの柔らかさ。さらに、カルサイト(方解石)の親戚であるため、特定の3方向にパカッと割れる完全なへき開を持っています。特に透明なジェムクオリティの原石をカットする難易度は非常に高く、職人は石の機嫌を損ねないよう、フェザータッチで研磨を進める必要があるんですよ。
RELATIONSHIP
Derived Gemstones
この原石から生まれる宝石たち
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