Benitoite

ベニトアイト
Benitoite

アメリカの広大な大地が生んだ「青い奇跡」、ベニトアイト。この石の物語は、1907年にカリフォルニア州サンベニト郡の荒野で始まりました。発見者のジェームズ・カウチ氏は当初、その美しい青色を見て「サファイアを見つけた!」と色めき立ったそうです。しかし、専門家が調べてみると、サファイアよりも遥かに強く光を分散させる、全く未知の鉱物であることが判明しました。

鉱物としての組成は、バリウムとチタンを含むケイ酸塩。自然界でチタンが含まれる鉱物は数あれど、このように複雑な 結晶構造 の中でバリウムと結びつくのは非常に稀なケースです。生成の現場となるのは、蛇紋岩(じゃもんがん)の中に熱水が入り込んでできた脈の中。ソーダ沸石という白い鉱物に埋もれるようにして、あの独特な結晶が顔を出します。

原石を見てまず驚くのが、その形です。まるで人工的に整えられたかのような、可愛らしい「三角形」をしているんです。自然が作り出した幾何学的な美しさに、鉱物ファンならずとも心ときめくはずです。しかもこの石、短波紫外線(ブラックライト)を当てると、鮮やかな青白色に蛍光するという隠れた特技も持っています。

そして研磨職人にとって、ベニトアイトは腕の見せ所であると同時に、胃が痛くなるような相手でもあります。ダイヤモンドに匹敵する「分散度( ファイア )」を持っているため、うまくカットすればサファイアのような青色の中に、メラメラとした虹色の輝きを宿すことができます。しかし、見る角度によって色が濃く見えたり無色に見えたりする「 多色性 」が強烈なため、石の向き(結晶軸)を完璧に見極めないと、せっかくの美しい青色が消えてしまうのです。

世界で唯一の鉱山はすでに閉山しており、まさに「地球の遺産」となりつつあるベニトアイト。その小さな三角形の結晶には、特異な地質条件と偶然が重なった、二度と繰り返されない地球の記憶が詰まっているのです。

RELATIONSHIP

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Benitoite
Benitoiteベニト石
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