アウイン
Haüyne
鉱物コレクターの間で「アウイン」の名が出ると、決まってその場が少し熱を帯びます。それほどまでに、この石が放つ「アウイナイトブルー」と呼ばれる混じり気のないネオンブルーは、見る者の脳裏に焼き付く鮮烈さを持っています。
名前の由来は、19世紀のフランスの鉱物学者で「結晶学の父」と称されるルネ・ジュスト・ア―ユイ氏から。鉱物学的には「準長石」というグループに属し、ラピスラズリを構成する青い鉱物の一つでもあります。しかし、単結晶として宝石になる品質のものが採れるのは、世界中でドイツのアイフェル地方、それもごく限られた火山性地帯だけという、極めて偏屈で希少な存在です。
この石が育つ環境も劇的です。太古の火山活動によって噴出した軽石層の中に、ひっそりと隠れるように生成されます。主成分はナトリウムやカルシウムのアルミノケイ酸塩ですが、あの目の覚めるような青色は、 結晶構造 に取り込まれた「硫黄」の成分によるもの。さらに面白いのが、ブラックライトを当てると、あのクールな青色からは想像もつかないような蛍光ピンクやオレンジ色にボウっと光る個体があることです。
そして、研磨職人を泣かせるのが、その結晶の小ささと脆さ。大きな原石が見つかることは稀で、0.1カラットあれば「大粒」と言われる世界です。しかも、三方向に割れやすい完全なへき開を持ち、硬度も低いため、カット中に崩壊してしまうことも日常茶飯事。ショーケースに並んでいるアウインは、地中での生成から職人のカットまで、いくつもの「生存競争」を勝ち抜いてきた、奇跡のような青いかけらなんですよ。
RELATIONSHIP
Derived Gemstones
この原石から生まれる宝石たち
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