英国王室のロマンスから、商売繁盛の守り神へ。国境を越える「キャッツアイ」の物語
19世紀英国、コノート公爵の婚約指輪として愛の守護石となったクリソベリルキャッツアイ。一方、日本では「商売繁盛」「未来を見通す目」として経営者や男性に愛されてきました。国境を越えて人々を魅了する、その二つの顔と歴史を紐解きます。

宝石言葉や石の持つ意味は、国や時代によってガラリと変わることがあります。その最も面白い例が、クリソベリル・キャッツ・アイかもしれません。
時計の針を、19世紀後半のイギリスへと戻してみましょう。
ヴィクトリア女王の三男、コノート公爵アーサー。彼がプロイセンの王女に贈った婚約指輪には、ダイヤモンドではなく、ある神秘的な石が輝いていました。それこそが、キャッツアイです。
このロマンティックなニュースは瞬く間にヨーロッパ中を駆け巡り、「愛する人を悪意から守る石」として、貴族たちの間で大流行しました。当時のキャッツアイは、愛の誓いと守護のシンボルとして、女性の指元を飾る優雅な宝石だったのです。
一方、明治時代以降に西洋の宝石文化が輸入されたここ日本では、この石は少し違った頼もしい表情で愛されるようになりました。
東洋の仏教美術などにある「第三の目」や「すべてを見通す眼力」という概念と結びつき、特に日本の実業界で独自の地位を築いたのです。
商売やビジネスの世界では、一寸先は闇。 だからこそ、暗闇の中でも光を失わず、物事の本質を鋭く見抜くキャッツアイは、「未来を見通す石」として、多くの経営者やリーダーたちに選ばれてきました。
「商売繁盛」や「必勝」のお守りとして、男性からの人気が非常に高いのも日本ならではの特徴です。
ギラギラと派手に輝くのではなく、必要な時だけキッと鋭い光を放つ。その静かで重厚な佇まいが、寡黙に戦う日本のビジネスパーソンの美学に合致したのでしょう。
かつては英国のプリンスが愛する人を守るために選び、日本ではリーダーたちが自身の道を切り拓くために選ぶ。
「大切なものを守り抜く」 「迷わず未来を見据える」
国や背景が違っても、人々がこの「ひとすじの光」に託した願いの強さは、変わらないのかもしれません。
もしあなたが、仕事で大きな決断を迫られているなら、あるいは、これから新しい事業に挑戦しようとしているなら。この石を相棒に選んでみてはいかがでしょうか。
その鋭い眼差しが、あなたの行く手をきっと明るく照らし出してくれるでしょう。



