DiamondJanuary 20, 2026

「地球の核(コア)」はダイヤモンドで出来ている?

地球の核はダイヤモンド?そんなお話の真実と、宇宙に実在する「ダイヤモンド惑星」を解説。宝石と星の意外な関係を知れば、いつものジュエリーがもっと特別に。

「地球の核(コア)」はダイヤモンドで出来ている?

ふと足元を見つめたとき、この分厚い大地のずっと奥底、地球の真ん中には何があるんだろうと考えたことはありませんか?

「地球の核(コア)は、巨大なダイヤモンドの塊でできている」

そんなロマンチックな話を耳にしたことがあるかもしれません。もしそれが本当なら、私たちはとんでもない宝石箱の上で暮らしていることになりますよね。今回は、そんな壮大な宇宙と宝石のお話を少しだけ紐解いてみましょう。

地球の中心にあるものの正体

残念ながら最初に夢を壊してしまうようで心苦しいのですが、地球の中心、つまり「核」はダイヤモンドではありません。

現在の科学では、地球の核は主に鉄とニッケルで構成されていると考えられています。ドロドロに溶けた金属と、その中心にある固体の金属の塊。これが地球という惑星のエンジンのような役割を果たしていて、私たちが方位磁石を使えるのも、この鉄の塊が磁場を作ってくれているおかげなんです。

では、私たちが愛してやまないダイヤモンドはどこにいるのかというと、もう少し浅い場所です。「浅い」と言っても地下150キロメートルから200キロメートルという、とてつもなく深い場所ですが、地球の半径(約6400キロメートル)から見れば、ほんの表層に近い「 マントル 」という場所で生まれます。

地球の奥深くでギュッと圧縮された 炭素 が、火山の噴火などの急激な動きに乗っかって、奇跡的に地表近くまで運ばれてくる。これが、私たちが普段目にするダイヤモンドの旅路なのです。

宇宙に実在する「ダイヤモンドの惑星」

「なんだ、地球はダイヤモンドじゃないのか」とがっかりするのはまだ早いです。視線を空に向けてみましょう。実は、広い宇宙には本当にダイヤモンドで出来ている(と考えられている)惑星が存在します。

有名なのが、「かに座55番星e(55 Cancri e)」という惑星。

地球から約40光年離れた場所にあるこの星は、地球の2倍ほどの大きさがあり、「スーパーアース」なんて呼ばれています。研究によると、この惑星は炭素が非常に豊富で、主成分の3分の1近くがダイヤモンドである可能性があるとか。

想像してみてください。地殻そのものがダイヤモンドで出来ている世界を。山も谷も、見渡す限りの大地がキラキラと輝いているかもしれないんです。

さらに、「ルーシー」という愛称で呼ばれる星もあります。これはビートルズの曲『Lucy in the Sky with Diamonds』にちなんで名付けられた白色矮星(BPM 37093)のこと。星が燃え尽きて冷え固まったあと、その中心にある炭素が結晶化して、巨大なダイヤモンドの塊になっていると考えられています。その大きさたるや、10の34乗カラット。ゼロが多すぎて、もう何がなんだかわからないレベルの大きさですよね。

手のひらの上の「星のかけら」

宇宙規模で見ると、ダイヤモンドという物質はそれほど珍しいものではないのかもしれません。星が生まれ、燃え尽き、また新しい星ができるサイクルの中で、炭素はあちこちで結晶化しています。

そう考えると、皆さんが持っているダイヤモンドのジュエリーも、少し違った風に見えてきませんか?

地球の核ではありませんでしたが、ダイヤモンドはこの星が生まれたときから存在する炭素が、気の遠くなるような時間と圧力を経て姿を変えたものです。それは、遠く離れた「かに座55番星e」や「ルーシー」と同じ、宇宙が生み出した結晶の仲間なんですよね。

夜空を見上げながら、指元のダイヤモンドを眺めてみる。そんな楽しみ方も、たまには良いのではないでしょうか。地球にいながらにして、星のかけらに触れているような、そんな不思議な気分に浸れるはずです。


月野 結絵(Tsukino Yue)
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月野 結絵(Tsukino Yue)

ジュエリーの魅力を言葉で磨くライター。天然石の美しさやコーディネートの楽しさを、瑞々しい感性でお伝えします。現在、宝石学やトレンドを勉強中。Jewelism Marketを通じて、皆様と素敵なジュエリーとの「結び目」になれるような記事をお届けします。

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