ギリシャの空を映す石。ポケットの中の太陽「ヘリオライト」
「太陽の石」を意味するヘリオライト。サンストーンの名でも親しまれるこの宝石の由来と、アベンチュレッセンスが放つ力強い輝きの魅力について綴ります。

「ヘリオライト」
口に出してみると、なんだか少し背筋が伸びるような、神話的で凛とした響きがありませんか?
今では「サンストーン」という、親しみやすさ全開の名前で呼ばれることの方がずっと多いこの石。でも、私はこの「ヘリオライト」という古い呼び名も、結構気に入っています。
語源はギリシャ語まで遡ります。「ヘリオス」が太陽で、「リトス」が石。つまり、直訳すればそのまま「太陽の石」という意味になります。古代の人たちが、地面に転がるこの石を見つけたときのことを想像してみてください。透明な石の中に、燃えるようなオレンジや赤の煌めきが走る。それを見た彼らが、大真面目に「これは太陽のかけらが地上に落ちてきたものに違いない」と信じたとしても、決して不思議じゃないなと思うのです。
それくらい、この石の光り方は特別。
お店のショーケースや部屋の照明の下で見るのと、外の太陽光の下で見るのとで、驚くほど表情が変わるのもこの石の面白いところです。石の中に閉じ込められた細かな結晶が、光を浴びて一斉に「ギラッ」と輝く現象。専門的な言葉では「 アベンチュレッセンス 」なんて呼ばれますが、理屈はさておき、その輝きは本当に力強い。ただ繊細で綺麗というより、もっとエネルギーに満ちた、生命力を感じるような光り方です。
曇り空が続く季節や、なんとなく気分が晴れない日。 そんな時に、手元のヘリオライトを眺めてみる。そこには確実に、小さな太陽があります。名前の由来を知ってから改めてこの石に向き合うと、ただの綺麗な鉱物が、なんだか頼もしい相棒のように見えてくるから不思議です。
ポケットに太陽を忍ばせて歩く。 そんな密かな贅沢を楽しむのも、この石ならではの醍醐味かもしれません。



