「皇帝」の名を冠する、夕暮れの色。「インペリアル・トパーズ」が教えてくれる、大人の美学
トパーズの王様「インペリアル・トパーズ」。ブルートパーズとは一線を画す、希少な「シェリーカラー」の魅力と、ブラジル皇帝も愛した大人のための宝石の歴史を紹介します。

「11月の 誕生石 、トパーズ」と聞いて、あなたが思い浮かべるのはどんな色ですか?
おそらく、多くの方が透き通った水色、つまり「ブルートパーズ」を想像するのではないでしょうか。 爽やかで、若々しく、手に入りやすい価格の青い石。確かにそれもトパーズの魅力的な一面です。
しかし、宝石の世界において「トパーズの王様」と呼ばれる石は、青色ではありません。 それは、熟成されたシェリー酒のような黄金色や、沈みゆく夕日のようなピンクがかったオレンジ色をしています。
その名は、「インペリアル(皇帝)・トパーズ」。
数あるトパーズの中でも、なぜこの石だけが「皇帝」の名を許されているのか。 今回は、青い石の影に隠れがちな、しかし圧倒的な品格を持つ「真のトパーズ」の物語を紐解きます。
ブラジル皇帝が愛した「シェリーカラー」
インペリアル・トパーズの故郷は、ブラジルのミナス・ジェライス州にあるオウロ・プレトという街です。 19世紀、この地を訪れたブラジル皇帝ドン・ペドロ2世は、鉱山から産出される美しいオレンジ色の石に一目で魅了されました。
「この美しい石は、私の名にふさわしい」
彼はその石を深く愛し、王冠や宝飾品として愛用しました。そして、皇帝への敬意を表して、この特別な色のトパーズだけに「インペリアル(Imperial)」という称号が与えられたのです。
現在市場に出回っているブルートパーズのほとんどが、無色の石に 放射線照射 などの処理を施して青くしているのに対し、インペリアル・トパーズの色は「天然」のもの(※ 加熱処理 されることはあります)。 地球が何億年もの時間をかけて作り出した、奇跡の「シェリーカラー」なのです。
グラスの中で揺らめく、芳醇な光
インペリアル・トパーズの最大の特徴は、その複雑で深みのある色合いです。
単なる黄色やオレンジではありません。 最高級のものは、黄金色の中にほんのりと赤み(ピンク)が差し込み、見る角度によって色が揺らめくように変化します。
その色は、しばしば「シェリー酒」に例えられます。 グラスに注がれた上質なシェリー酒が、キャンドルの光を受けてトロリと輝く様子。あるいは、太陽が地平線に沈む直前の、空が金色と紫がかったピンクに染まる「マジックアワー」の瞬間。
甘く、切なく、そしてどこまでも優雅。 それは、元気で快活なブルートパーズとは対極にある、静かで落ち着いた「大人の色気」を宿しています。
年齢を重ねた肌にこそ、似合う色
若い頃は、ピンクや水色のジュエリーに惹かれたかもしれません。 しかし、年齢を重ねて肌のトーンが落ち着いてきたり、ファッションの好みがシックになったりした今こそ、インペリアル・トパーズの出番です。
日本人の肌(オークル系)に非常によく馴染むこのオレンジピンクは、肌をくすませることなく、血色感をプラスして、顔周りをパッと華やかに見せてくれます。
また、夜の照明の下で映えるのもこの石の特徴です。 レストランの少し落とした照明や、間接照明の部屋で、インペリアル・トパーズは内側からボワッと温かい光を放ちます。 その姿は、まるで持ち主の知性や内面の豊かさを映し出しているかのよう。
「派手な輝きはいらないけれど、品のある存在感が欲しい」 そんな大人の女性の願いを叶えてくれる、最高のパートナーと言えるでしょう。
自分自身を「熟成」させる宝石
ワインやウイスキーが、樽の中で長い時間をかけて香り高くなるように。 私たち人間もまた、経験や時間を重ねることでしか出せない「味」があります。
インペリアル・トパーズの深いシェリーカラーを眺めていると、 「歳をとることは、色褪せることではない。深みを増すことなんだ」 と勇気づけられるような気がしませんか?
ただ明るいだけじゃない。苦味も渋みも知っているからこそ出せる、コクのある輝き。 この石は、成熟した大人だけが身につけることを許された「勲章」のようなものです。

乾杯は、夕暮れ色の指輪と
もし、あなたが11月生まれでなくても、あるいは今まで青いトパーズしか知らなかったとしても。 次の記念日や、自分へのご褒美には、ぜひインペリアル・トパーズを選んでみてください。
指先に、夕暮れの色を纏う。 それは、慌ただしい日常の中で、ふと立ち止まって自分自身を労る時間をくれるはずです。
今夜は、お気に入りのグラスにお酒を注いで。 その琥珀色の液体と、指先のインペリアル・トパーズを並べて、素敵な夜を過ごしてみませんか?
「皇帝」の名を持つその石は、あなたのこれまでの人生と、これからの時間を、芳醇な光で祝福してくれることでしょう。


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