深紅の女王、ルビーが教えてくれること
ただ赤いだけじゃない。最高級の色「ピジョン・ブラッド」の由来や、ルビーが放つ独特の強さについて。歴史と科学の視点を交えながら、その魅力の深淵を覗いてみます。

宝石箱の中でひときわ強い視線を感じるとしたら、それは間違いなくルビーの仕業だと思うんです。「宝石の女王」なんて呼ばれるけれど、その美しさは優雅というより、もっと本能的な何かに訴えかけてくる気がしませんか。
ルビーの赤色は、実は不純物が作り出した奇跡なんですよね。コランダムという無色の鉱物に、ほんの少しのクロムが混ざることで、あの鮮烈な赤が生まれる。面白いのは、このクロムという成分、多すぎると結晶そのものが黒ずんでしまったり、生成されにくかったりするらしいんです。つまり、美しいルビーが地上に現れること自体が、地球の絶妙なバランスの上に成り立っているというわけ。
よく耳にする「ピジョン・ブラッド(鳩の血)」という言葉。これはミャンマー産の最高級ルビーを指す言葉ですが、実際に見てみると、ただ赤いだけじゃなくて、わずかに青みを含んだ深みのある赤なんですよね。紫外線に当たると内側から発光するような 蛍光性 を持っているのも特徴で、これが太陽の下だとメラメラと燃えているように見える理由なんです。
昔の人がこの石を「固まった火」だと信じたり、身につけると不死身になれると考えたりしたのも頷けます。現代を生きる私たちにとっても、ルビーはやっぱり特別。ちょっと元気がない朝や、気合いを入れたいプレゼンの日、この赤い石が視界に入るだけで、背中をバンと叩かれたような気分になる。理屈じゃなく、色が持つエネルギーをダイレクトに受け取れる、そんな頼もしい相棒みたいな存在なのかもしれません。







